ロシア外務省が産経新聞を批判する内容の文書を誤って産経新聞モスクワ支局に送り、その顛末が産経新聞のコラムで暴露されたことを受け、ザハロワ報道官が2016年6月3日夜(日本時間)、自らのフェイスブックページで「誤発送」を事実上認めた。
ザハロワ氏はフェイスブックで、
「手紙がどうやって(誤って産経新聞に)届いたかについては分からない。配達人が間違えたのか、それとも誰かが『友達』として渡したのか...」
と触れた。そもそも外務省としては「本件について公にコメントするつもりはなかった」が、「(産経側が)他人の手紙を読み、引用した」ため、今回の書き込みにつながったようだ。
産経コラムでの引用内容とほぼ一致
ザハロワ氏によると、外務省は外国報道機関にビザを出している関係で、様々な機関から問い合わせを受けている。そのひとつとして産経新聞の取材を受けるべきかどうかについても問い合わせがあったが、「(産経新聞の)2国間関係についての報道は、産経新聞を真面目な新聞だと認識すべきかどうかについて、疑問を投げかけるものだった。ナショナリスティックな方向性が明らかだった」として、同紙を推薦することはできないと返答したという。
産経新聞のコラムでは、誤って送られてきた文書の中身を
「産経新聞は日本の主要活字メディアの中で、ナショナリズムの方向性によって特別の地位を占めている。ロシアに関する多くの記事は批判的、時に攻撃的であり、事実はしばしば歪曲(わいきょく)され、否定的な見地で伝えられる」
と紹介。ザハロワ氏の書き込みの内容とほとんど同じで、誤って送られた文書が本物の「公式文書」だったことを事実上認めた形だ。