モスクワ支局長「ロシアの役所の劣化が本当に心配」
この文書の内容に対して、コラムでは
「この種の文書を作成することも、貴国では外務省の重要な業務なのでしょう。『事実を歪曲』などという完全な中傷には抗議しておきますが」
などと反論しているが、あくまで記事表現上の皮肉で、実際に抗議や「間違って文書が届いた」といった指摘はしていない。コラムに
「露外務省には平素よりたいへんお世話になっており、事を荒立てるつもりは毛頭ありません」
とある部分が、実は本音なのだそうだ。逆にロシア外務省からも
「間違って送ったので破棄してほしい」
などの連絡はないという。
コラムでは
「何より心配なのは、大国ロシアの外交を担う外務省が、公式文書を誤って発送するという初歩的ミスを犯した事実です」
とも皮肉っている。遠藤支局長は「役所の劣化が本当に心配」と、改めて話していた。
産経新聞の海外の取材拠点をめぐっては、07年に中国総局の記者が記者証の更新を一時拒否されたり、15年にはソウル支局長(当時)が朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)の罪で在宅起訴され=後に無罪判決=一時的に出国できなくなったりした。