明治の新商品に「説明がセコイ」の声 値段変えずに牛乳1割減「持ちやすくしました」

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   明治が牛乳の主力品「明治おいしい牛乳」の新商品が発表されると、ネット上で「セコ過ぎる!」といった声が大量に出る事になった。

   新商品は、これまでの1リットルパックを900ミリリットルパックにして値段はほぼ同じ。事実上の値上げと思われるが、容量を1割減らした理由をパックの改良と、「持ちやすくするため」「最後までムダなくおいしく飲むことができる内容量」などと説明したからだ。

  • 牛乳の生産者価格は上がり続けている。昨年に続き再値上げはあるのだろうか?(写真はイメージ)
    牛乳の生産者価格は上がり続けている。昨年に続き再値上げはあるのだろうか?(写真はイメージ)
  • 牛乳の生産者価格は上がり続けている。昨年に続き再値上げはあるのだろうか?(写真はイメージ)

「素直にコスト高って言えば角が立たないのにな」

   「明治おいしい牛乳」の新商品が発表されたのは2016年6月1日の「牛乳の日」。まずパックに特徴があり、従来容器と比べ横幅を約5mm小さくし、子供や高齢者でも持ちやすくした。そのため筋肉への負担も減る。キャップは開けやすく注ぎやすい広口のプルリング式を採用。パック内に牛乳を充填させ直接空気と触れにくいようにしたほか、遮光性の高い素材を使うなど新鮮さの長持ちを向上させた。そして、

「人口動態やお客さまの飲用実態の変化に合わせ、最後までムダなくおいしく飲むことができる内容量として900mlの設定としました」

と説明した。店頭の想定価格は税別250~270円で、現在売られている1リットルパックのメーカー希望小売価格260円(税別)とほぼ同じ。16年9月20日から九州をスタートに全国で販売するのだという。

   こうした説明にネット上では、

「持ちにくいなんて思った事もないわ」
「素直にコスト高って言えば角が立たないのにな。下手な言い訳には舛添やベッキーのニュースの影響で視聴者が敏感だから、タイミング的にヘイトを募らせるだけのように思うんだが」
「別にコスト増に伴って値上げなり減らすのはしょうがねーなって思うのだけど、こーゆーセコイ言い訳めいた事言うのほんと不快」

などといった書き込みが掲示板に出た。

   実際のところ値上げなのかどうか、明治の広報にJ-CASTニュースが3日に話を聞くと、

「私どもは実質的値上げという認識ではありません」

と説明した。パックに様々な改良を重ねたことと、より美味しく飲んでもらえるようになったことなどが値段に反映しているのだという。

過去にもあった「お値段すえ置き」で内容量を減らす手法

   牛乳をめぐっては、14年11月にセブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド「セブンプレミアム 北海道十勝おいしい牛乳」が900ミリリットルにする際に1リットルサイズとほぼ同じ高さにした。パッケージの上部を斜めに切ったような形にしていて、上部に牛乳が入っていない「ハリボテではないか」などと批判を集めた。またこの頃は、「お値段すえ置き」で内容量を減らす、実質値上げが横行した頃で、雪印メグミルクの「家庭用スライスチーズ」は8枚入スライス(144g)が7枚入(126g)に減った。

   マルハニチロは、冷凍食品「プリッと大きなえびチリ」のエビの数を5尾から4尾に減らし、カゴメの野菜ジュース「野菜生活100」は容量を900ミリリットルから720ミリリットルに変えている。明治の「ミルクチョコレート」は55グラムから50グラムに小さくなった。

   こうした動きが続く理由をある経営コンサルタントは、

「これまでと同じように買ってもらうために『価格はさわりたくない』と、まず考えます。小手先かもしれませんが、減量やパッケージの変更はそういうことです」

と説明している。

   実は牛乳は15年4月に牧草やトウモロコシなど飼料穀物の価格の高騰などで酪農農家からの生乳の仕入れ価格が上り、メーカー各社は販売価格を2~5%程度値上げしている。その仕入れ価格はどうなっているかといえば、農林水産省の「農業物価統計調査」を見ると、10キロ当たりの生乳の価格は15年1月が965円に対し、同4月は992円、14年3月は1006円と上がり続けているのだ。

   農水省の牛乳関連の担当者は、

「仕入れコストが現状のような推移ならば、再値上げの検討に入ってもおかしくないと思います」

と打ち明けた。明治のようなやり方を、他のメーカーが追随してもおかしくない状況のようだ。

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