過去にもあった「お値段すえ置き」で内容量を減らす手法
牛乳をめぐっては、14年11月にセブン&アイ・ホールディングスのプライベートブランド「セブンプレミアム 北海道十勝おいしい牛乳」が900ミリリットルにする際に1リットルサイズとほぼ同じ高さにした。パッケージの上部を斜めに切ったような形にしていて、上部に牛乳が入っていない「ハリボテではないか」などと批判を集めた。またこの頃は、「お値段すえ置き」で内容量を減らす、実質値上げが横行した頃で、雪印メグミルクの「家庭用スライスチーズ」は8枚入スライス(144g)が7枚入(126g)に減った。
マルハニチロは、冷凍食品「プリッと大きなえびチリ」のエビの数を5尾から4尾に減らし、カゴメの野菜ジュース「野菜生活100」は容量を900ミリリットルから720ミリリットルに変えている。明治の「ミルクチョコレート」は55グラムから50グラムに小さくなった。
こうした動きが続く理由をある経営コンサルタントは、
「これまでと同じように買ってもらうために『価格はさわりたくない』と、まず考えます。小手先かもしれませんが、減量やパッケージの変更はそういうことです」
と説明している。
実は牛乳は15年4月に牧草やトウモロコシなど飼料穀物の価格の高騰などで酪農農家からの生乳の仕入れ価格が上り、メーカー各社は販売価格を2~5%程度値上げしている。その仕入れ価格はどうなっているかといえば、農林水産省の「農業物価統計調査」を見ると、10キロ当たりの生乳の価格は15年1月が965円に対し、同4月は992円、14年3月は1006円と上がり続けているのだ。
農水省の牛乳関連の担当者は、
「仕入れコストが現状のような推移ならば、再値上げの検討に入ってもおかしくないと思います」
と打ち明けた。明治のようなやり方を、他のメーカーが追随してもおかしくない状況のようだ。