麻雀に勝って、内定に「リーチ」――。情報機器販売のスターティアが2017年4月入社の新卒採用から始めた「麻雀選考」が、いま大きな注目を集めている。
説明会や懇親会と同時に、就活生と社員が卓を囲む麻雀大会を開催。1位を獲得した学生には、いきなり最終面接に進めるという特典が付く。もちろん通常の採用選考も実施するが、採用目標40人のうち「麻雀枠」で2~3人の採用を予定している。
すでに「麻雀枠」から内定者も
「私たちが営業職に求める能力は、『決断力』と『勝負所を掴む嗅覚』の2つ。こうした資質を確かめるのに、『麻雀』はぴったりだと考えています」
麻雀を選考に用いた理由について、スターティアの広報担当者は、6月2日のJ-CASTニュースの取材にこう力強く語る。
電話やコピー機などの回線の卸売など、主にBtoB(企業間取引)事業を行う同社。これまで学生からの認知度は「決して高いとはいえなかった」というが、新たに始めた「麻雀選考」をきっかけに、その知名度は急激に上昇したという。
16年4月22日に開催した第1回の「麻雀採用イベント」には、会場となった都内の雀荘に全29人の学生が集まった。男女の内訳は、男性27人に対し女性が2人。なかには、東京大学の学生もいたという。
麻雀大会は、社員5人とゲストとして招いたプロ雀士5人を加え、全39人で始まった。その結果次第で採用選考が有利になることもあり、会場の雰囲気は「真剣そのものでした」(広報担当者)。
同社の選考フローは通常、「エントリー→説明会→1次面接→2次面接→3次面接→最終面接」と、内定までに6つの選考を通過する必要がある。だが、今回の麻雀選考で1位になった学生は、いきなり最終面接からスタートできる。2~10位の学生も、2次面接までが免除となった。すでに、22日の麻雀選考を「通過」した学生のうち、複数名に内定を出したという。
「プロ雀士との対局を目的に集まった学生も多かったようですが、最終的には27人から『選考に参加したい』という言葉を頂きました。社員と卓を囲んだことや、麻雀大会の後に実施した説明会や懇親会を通じて、弊社の魅力や雰囲気が学生に伝わった結果だと捉えています」