黒豆にコーヒー...予防には「黒い食べ物」を
心筋梗塞のリスクを見極める方法はもう一つある。「悪玉コレステロール」の数値が140以上の人は危険だという。関根さんは185だった。カロリーの過剰摂取、つまり食べ過ぎが原因で高くなる場合が多いが、体質が関係することもある。前出の上田氏によれば、「近い身内で心筋梗塞になった人がいる場合、数値が高くなりやすい」。関根さんは父親が心筋梗塞で倒れたことがあり、家系が関係していたのかもしれない。
番組では、「サイン」や「悪玉コレステロール値140以上」が出た人は、かかりつけ医か循環器内科を受診するよう勧めた。また、悪玉コレステロール値は健康診断や、薬局でも受けられる血液検査で計測できる。関根さんは番組で、「危なくなってから検診に行ったのでは、取り返しがつかなくなるかもしれない。僕は偶然、早期発見できた。皆さんもぜひ検診へ行ってみてください」と呼びかけた。
日頃からの予防も大事だ。番組にVTR出演した埼玉医科大学医学部教授で心臓外科医の新浪博士氏は、チョコレートやブルーベリー、黒豆、レーズン、黒ゴマ、コーヒーといった「黒い食べ物」が有効だと話した。黒の色素「ポリフェノール」には、血管にプラークをつくりにくくする効果があるという。ただ、摂取してから3時間ほどしか効果が持続しないため、こまめに食べるのがよい。
J-CASTヘルスケアでは2016年4月11日付記事で、記者が定期検査でなにげなく「軽い胸の痛みがある」と口にしたのが発端で、医師から「血管の異常」を指摘されて手術に至ったエピソードを紹介した。明確な自覚症状がなかった半面、実際は深刻な事態の一歩手前だったのは、今回の関根さんと似たケースだ。こまめな体のチェックが、自身の命を救う何よりの近道だろう。