AKB48のCDにつく投票券などでメンバーに投票し、その数でメンバーの順位を決める 恒例の「選抜総選挙」(2016年6月18日開票)の選挙戦が6月1日、本格的に始まった。この日の夜には「速報」と呼ばれる投票初日の集計結果が発表された。連覇が有力視されている福岡・HKT48の指原莉乃さん(23)は、返り咲きを目指す渡辺麻友さん(22)に僅差で及ばず、まさかの2位発進となった。
速報発表に先立って行われたイベントでは、渡辺さんは指原さんのことを「やっぱり、全メンバーの敵」と口をすべらせ、慌てて「間違った。ライバル!」と言い直す一幕も。「もう1位しか見えていない」と、1位奪還への並々ならぬ意欲を見せていた。
15年比の得票数、まゆゆ4割増、ゆきりん4割減
16年の総選挙では、グループ272人が立候補し、上位80人が入賞。そのうち上位16人は8月に発売される新曲に「選抜メンバー」として参加でき、1位に輝いた人がセンターポジションを務める。5月31日朝に投票が始まり、6月1日夜に「速報」が発表された。
渡辺さんは15年の速報よりも4割以上多い4万2034票を得て1位でスタート。指原さんは15年から7.8%多い4万1127票を得たが、渡辺さんに一歩及ばなかった。3位以降は名古屋・SKE48の松井珠理奈さん(19)、大阪・NMB48の山本彩(さやか)さん(22)、SKE48の須田亜香里さん(24)、柏木由紀さん(24)らが続いた。15年の速報で32位、最終結果で18位だった須田さんは得票を約3.3倍に伸ばす一方、15年は速報・最終結果ともに2位だった柏木さんは今回、37.2%も減らした。
80位圏内にランクインした人数を地域別に見ると、15年速報との比較では、AKB48が29人、NMB48は8人でほぼ横ばい。一方、15年は26人いたSKE48は19人に大幅に減り、16人いたHKT48は22人に伸ばした。新潟・NGT48からは北原里英さん(24)が唯一のランクインを果たした。
速報発表から9時間ほど前に行われた「AKB48選抜総選挙ミュージアム」の開幕イベントで、渡辺さんと柏木さんは1位獲得に向けた並々ならぬ意欲を見せた。15年に2位だった柏木さんは「今年こそは初の1位を狙いたい」、14年に1位を獲得したものの15年は3位だった渡辺さんは「もう1位しか見えていない。1位になる気で満々です」と、ともに闘志をむき出しにした。
やはりターゲットは「さっしー」
ただ、やはりターゲットは指原さんのようで、渡辺さんは
「さっしーがやっぱり、全メンバーの敵というか...、間違った。ライバル!」
と、「敵」と口走った末に「ライバル!」と言い直した。15年の最終得票数は、1位の指原さんが19万4049票、2位の柏木さんが16万7183票、3位の渡辺さんが16万5789票だった。この大差を渡辺さんは
「票数がもう、おかしいじゃないですか!2位と1位との壁が、(両手を広げるしぐさをしながら)こんなんなんで、『誰も越えられないだろ』みたいな感じなので...。もう『打倒さっしー』って感じですよね」
などと嘆いてみせ、指原さんと比べて「ここは負けていない」という点を聞かれると
「さっしーとは、アイドル性という部分では...。何か変な意味じゃなくて、さっしーは結構『ぶっちゃけ』。色々何でも発言するじゃないですか、バラエティーとかも沢山出てて。私は逆にトークもそんなに得意じゃないし、バラエティーもそんなに出ないし...。いい意味でキャラが両極端だと思っていて...。『私ならでは』というか」
などとして、純粋な「アイドル」として差別化したい考えだ。
これに対して、柏木さんは
「微妙に何にも勝てないんですよ、さっしーに。だからどうしよう...」
と苦笑いしながら
「女らしさ。怒るかなぁ...。友達だから大丈夫か。女らしさ、色気」
と話していた。
指原さんは、この日のイベントには出席していなかった。記者から、米国の大統領選では対立候補の欠点を宣伝するネガティブキャンペーンが盛んなことを指摘されると、2人はしばらく沈黙し、
「ここにいないから悪口になっちゃう」(渡辺さん)
「なんか陰口みたいになっちゃう」(柏木さん)
と気まずそうにしていた。
「総選挙ミュージアム」は、6月2日から12日まで東京・渋谷のパルコミュージアム、14日から26日にかけて東京スカイツリーの「東京ソラマチスペース634」でオープン。立候補している全272人のポスターや色紙、歴代の総選挙で1位に輝いた人の肖像画などが展示される。この日の開幕イベントでは、15年に1位だった指原さんの肖像画の除幕式が行われ、
「めっちゃ似てる」(渡辺さん)
「さっしーやせたね!」(北原さん)
といった声が次々にあがっていた。