3年前に「ブラック企業」特別賞を受賞
この傾向は若手教員の間で顕著だ。30歳以上35歳未満の教員の場合、任期付きは07年度の1618人から13年度には2493人に、35歳以上40歳未満は1650人から2899人に急増している。
大学は雇用の安定化を図るため、有期雇用の教職員を活用する方針に切り替え始めた。ところが、「無期転換ルール」によって大学側は逆に、大量の無期雇用を抱えるリスクを背負ってしまったわけだ。
無期雇用の急増は避けたい――。そう考えた多くの大学が、労働契約法が改正された13年頃から学内の就業規則を変えるなどして非正規教職員の雇用年数を最長5年に定め始めた。
早稲田大学など一部の大学では、これに反発する教職員労働組合が大規模な抗議活動を展開した。こうした活動も作用したのか、16年までに多くの大学で5年の上限は撤廃されている。早稲田大も15年11月に組合と和解し、撤回した。そんな中、突如持ちあがった東北大の通告。組合の関係者は
「こんなことやっていいのかと思います。時代に逆行していますよ」
と呆れ返る。
なお、今回の件と直接の関係はないが、東北大は13年6月27日発表の「第2回ブラック企業大賞」で、研究職員の過重労働を理由に、教育機関としては唯一「ブラック企業」特別賞を受賞している。