「訪問販売」専用ヤクルト「初」の値上げ それでも「ヤクルトレディ」にこだわるワケ

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   ヤクルト商品を訪問販売する、ヤクルトレディが自宅などに届けてくれる訪問販売専用の乳酸菌飲料「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」が、発売以来初めて値上げされた。

   「ヤクルト400」は主に中高年向けとして、また「ヤクルト400LT」は「ヤクルト400」の甘さやカロリーを抑えた乳酸菌飲料として発売。健康意識の高い人を中心に多くの支持を得て、現在は2商品あわせて毎日約335万本が全国で飲まれているという。

  • 宅配専用の「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」
    宅配専用の「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」
  • 宅配専用の「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」

原材料の価格高騰「吸収できる範囲を超えるもの」

   「ヤクルト400」は1999年の発売以来、「ヤクルト400LT」は2008年の発売以来、価格を据え置いてきたが、2016年5月30日から、いずれも1本あたり70円から80円(税別)に、10円引き上げた。

   値上げの理由を、ヤクルト本社は「乳製品原料や包装資材原料の価格の高騰など、原材料の価格が継続的に上昇してきました。小売価格を維持するため、これまでさまざまな対策を講じてきましたが、当社としてコスト増分を吸収できる範囲を超えるものであるため、値上げを決めました」と説明している。

   1本あたり80ミリリットルの内容量で、税別80円の価格は、スーパーなどで販売している「New ヤクルト」(65ミリリットル、40円)より割高ではあるが、ヤクルトレディによる訪問販売でしか買えない。

   ヤクルト本社は、「商品価値をきちんと知っていただくには、ヤクルトレディによる訪問販売が最も適していると考えています」と話し、胸を張る。

   訪問販売専用「ヤクルト」の値上げに、インターネットでは、

「高いよ。毎日続けられない」
「値上げするなら、その分量を増やして売れよ」

といった声も寄せられている。

   そんな声に混じって、

「訪問販売専用??? 買うほうも、スーパーのほうが気軽でいいんじゃないの」
「はっきり言って、その人件費がムダなんじゃね」
「ヤクルトレディやめて小売に変えればいいだけ」

などと、宅配サービスがコストアップにつながっているのではないかとの指摘もある。

「商品価値をきちんと説明して毎日飲み続けていただく」

   ヤクルトの乳製品の売れ行きは、1日に約685万本。このうち、「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」の売れ行きが、ほぼ半数を占めている。

   スーパーなどでは、「New ヤクルト」や「New ヤクルト カロリーハーフ」(いずれも、65ミリリットル、40円)などを販売。最近では、セブン‐イレブンでの限定商品として、年齢とともに健康維持が気になるビジネスパーソンをサポートするパーソナルユースタイプの「毎日飲むヤクルト」(100ミリリットル、110円)を販売。2016年5月10日には、販売エリアを全国に拡大した。スーパーなどの小売販売を軽視しているわけではない。

   とはいえ、ヤクルト本社は訪問販売の「ヤクルトレディ」には、強いこだわりがある。ヤクルトレディによる訪問販売は、1963年にスタート。2013年には50周年を迎えた。地域によって異なるが、1日20~30軒前後を訪問。「ヤクルトさん」「ヤクルトおばさん」などと、親しみを込めて呼ばれてもいる。

   ヤクルト本社は、「『ヤクルト』は商品によって、中に含まれているシロタ株の数が異なります。また、配合している成分やカロリーなども違います。訪問販売している『ヤクルト400』は1本に400億個と、最も多く含んでいる商品になりますが、お届け先に対して、その商品価値をわかりやすく、きちんと説明して、かつ毎日、習慣づけて飲み続けていただくためにも、ヤクルトレディが直接うかがうことが最適と考えています」と説明。同社の「世界の人々の健康を守りたい」という経営理念にも「合致します」と話す。

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