ここ数年、円相場の変動が大きくなり、外国為替証拠金(FX)取引では為替差益を狙う個人投資家が増えているようだ。いまや日本の個人投資家はすでに輸出企業などの売買高を上回っていて、為替相場を動かすほどの影響力をもっているという。
しかし、2016年に入ると、それまでの円安傾向が一変。円高相場が訪れ、展開の読みにくい状況が続いている。そんななか、FX取引をする個人投資家に新たなブームが来ているという。
円安が一変 FX個人投資家はどう動く?
2015年度は、外国為替証拠金(FX)取引が活況だった。金融先物取引業協会によると、15年度のFX取引金額は5524兆3269億円にのぼり、初めて5000兆円を突破した。前年度から18%増え、4年連続で過去最高を更新した。
FX取引は少額の元手を「レバレッジ」を効かせて、より大きな外貨を売買できるのが特徴で、各国の金利差や為替差益によって利益を得られる。かつては、2国間の金利差「スワップ金利」で収益を得る取引が人気を集めていたが、リーマン・ショック以降、世界的には低金利が広がり、いまやこうした取引の妙味はなくなりつつある。
代わって、アベノミクスで「円安」への動きが鮮明になったことで、相場が読みやすくなった。2015年はそんな「円安傾向」の波に乗った投資家が儲かったようだ。
ところが、16年度はその流れが変調を来し、16年5月3日の外国為替市場で円相場は一時1ドル105円台と約1年半ぶりの高値まで上昇。なにやら、為替相場が「荒れてきた」。相場が急変し個人投資家の取引は活発さを取り戻してきたが、先行きはまだ不透明感が漂っている。相場に翻弄される個人投資家たちはどう動いていくのだろうか。