スーツが窮屈そうな清原被告
いよいよ開廷。清原被告は、紺のスーツに青いネクタイという落ち着いた出で立ちで入廷した。以前と比べ、髪が少し伸びたような印象を受けた。間近で見る清原被告は、やはり大きく感じる。そのせいか、スーツが窮屈そうに見えた。
報道記者席に座る記者らは、吉戒純一裁判官から判決が告げられるやいなや、一斉に席を離れ、慌てて法廷外へ出て行った。
判決内容を読み上げた後、吉戒裁判官は「担当裁判官として一言」と前置きし、
「今後、公私両面で厳しいことが待ち受けていると思う。しかし、あなたは決して1人ではない。父親も(被告の寛大な処分を求める)嘆願書に署名した人々も、あなたの更生を心から望んでいる。人の役に立つ存在になることを期待している」
と清原被告に声をかけた。清原被告はこれに何度もうなずいていた。
被告人席から離れる前は傍聴席を向き、
「この度は申し訳ありませんでした」
と深く一礼。退廷直前に再び傍聴席を向き、約6秒間お辞儀をした。およそ15分の開廷時間はこれで終わった。時間の短さもさることながら、清原被告が感情を見せるシーンもなく、予想以上に「あっけなかった」。
一方、地裁前ではマスコミが「ドタバタ」を繰り広げた。清原被告を乗せたとみられる車が桜田通りに出ると、バイク部隊がけたたましい音を立て発車。車にぴったり張りつき、追走し始めた。
それに合わせて、カメラマンや記者も全力疾走で車を追いかける。ケーブルとマイクを抱えるスタッフと息を合わせ、同じスピードで走る様子はまさに「壮観」だ。
あまりの騒がしさに通行人がざわめき、スマートフォンのカメラを向ける。そんな喧噪の中、1人帰社の途についた。