今回、J-CASTニュースは、覚せい剤取締法違反の罪に問われた元プロ野球選手、清原和博被告の裁判を一般席で傍聴した。
そして、求刑通りの懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が清原被告に言い渡される瞬間を、間近で見ることができた。生まれて初めて東京地裁を訪れた記者が、地裁内や清原被告の様子、押し寄せたマスコミの動向をレポートする。
開廷前、マスコミ記者の間で持ちきりになった「ある話」
地裁入りした記者を最初に待ち受けていたのは空港で見かける、あの手荷物検査器だ。ポケットの鍵やスマートフォンをすべてカバンに入れ、ゲートを通る。計6人の警備員が鋭い目を光らせ、何とも物々しい雰囲気だ。
スマホや録音機の持ち込みは不可だ、との説明が口頭であった。ただ、裁判初心者の記者は、「ひょっとして、服のポケットにスマホを入れておけば、持ち込み・録音可能かな」との考えが頭をよぎった。しかし、そんな想定は、開廷前の2度目の手荷物検査で崩れる。係員にバッグを「没収」され、体に金属探知機を当てられる。手持ちの筆箱や財布のジッパーも開けられた。スマホをポケットに入れたまま中に入れる訳がなかった。
こうしたゲート前には、早くからマスコミ記者が列をなしていた。その多くがスマホをいじったり、ノートに目を通していたりする中、NHKの腕章をつけた記者は法廷に入るギリギリまで一般傍聴者に話を聞いていた。
とはいえ、全体として緊張感はあまり感じられない印象を持った。傍聴者より先に入廷した男性検察官の1人が、とある芸能プロダクションの社長に似ていると盛り上がり、笑いも起こった。長髪を後頭部で束ねた出で立ちは、確かに似ていなくもないが...。彼らは法廷に入るまでこの話題で持ちきりだった。
マスコミに限らず一般傍聴者の姿もよく目にした。開廷前、記者と会話した女性は「私、1度も(裁判所に)来たことがないんです。(法廷内で)どういう所作をすればいいんでしょうか」と不安げに話した。「私も不安ですよ」と返すと、顔をほころばせた。