【熊本地震とインターネット(5=最終回)】
「真夜中の激震」その時外国人は... SNS発信の情報が一気に拡散した

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外国人には「地図情報」のネット配信が重要

   本震が起きた4月16日の午後、熊本市内で炊き出しや支援物資の集積場所が示された地図情報を投稿した。すると、投稿がユーザーのページに表示された数を示す「リーチ数」が5万近くに達した。それまでの「Kumamoto International」の投稿と比べて、飛びぬけて数が多い。地震が起きて間もないころに、どこで食料が手に入るかは被災者にとって最も大きな関心事と言える。地図情報自体は日本語だが、投稿の際に英語で「食料や物資が手に入る場所」と書いたため、外国人にとっては何を示した地図かが分かった。

   熊本在住の外国人が提供する英語の情報は、留学生だけでなく被災した他の外国人、さらには海外にいる被災外国人の家族にとっても貴重だったはずだ。マスデンさんによると、震災後に「Kumamoto International」のリーチ数や「いいね」など「アクション」の数はぐっと増えた。

   一方、被災外国人が現地で一次情報として触れるのは日本語が大半だ。仮に役所が災害情報をウェブサイトに公開しても、日本語が理解できなければ意味が分からない。例えば熊本県内では、震災後に大雨が降って避難情報が出た。だがフィリップスさんの場合、情報が漢字ばかりで理解が困難だったと明かす。「自分の住む地域は避難の対象なのか」が分からないのだ。

「地名は複雑です。それに、住所の読み方で『2丁目』とあったら、どの2丁目かを見分けるのにも苦労します」(フィリップスさん)
「どこの地域に避難勧告、避難指示が出ているか、例えば地図アプリ上に色分けしてもらえば、視覚的に外国人でも分かりやすい」(マスデンさん)

   被災経験を乗り越えて、フィリップスさんは熊本に戻って留学生活を続行する意志を固めた。「地震は怖いけれど、熊本では多くの友人ができました。今では第2のふるさとです」と笑顔を見せる。マスデンさんは、フィリップスさんのような留学生の世話を続けながら、今日も英語で震災情報の発信を続けている。(おわり)

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