大韓航空の副機長「完璧な緊急脱出だった」
トラブル機に搭乗していた乗客が撮影した映像によれば、左翼から白煙が出ている状況にも関わらず、機内には「ただいまもう1度離陸の許可を待っております」「しばらくお待ちください」と的外れなアナウンスが流れた。その際、乗客からは悲鳴に近い叫び声が上がっていた。
このアナウンスについて、先述の小林氏は「機長と客室乗務員のコミュニケーションができていない証拠」と指摘。エンジントラブルの発生を機長は間違いなく確認できていたと述べ、「乗務員が勝手に放送を流したのでしょう」。「訓練不足ですよね」と呆れた様子で続けた。
また、キャリーケースなどの手荷物を持って脱出した乗客が目立ったことについても、「指示を徹底できていない」と問題視。乗客の避難に時間がかかるほか、シューターで滑り降りる際のけがにも繋がるため、乗務員は荷物を置いて脱出するよう乗客に説明する責任があるとも説明した。
一方、乗務員による避難誘導で「日本語での指示がなかった」との批判が出ていることに対しては、「避難誘導時の言語の規定はありません」として、大きな問題ではないとした。
ただ、韓国の中央日報(日本語版)が5月30日に配信したウェブ記事によれば、大韓航空の現職副機長は、今回のトラブル対応について「(乗務員は)全員が学んだ通り完璧に緊急脱出を実施した」などとフェイスブック上で主張しているという。こうした投稿について、小林氏は「マニュアル通りの対応ができていたとは全く思えません」と驚いた様子で話していた。