【熊本地震とインターネット(4)】
日奈久温泉「風評被害」を吹き飛ばしたい 「元気です」サイトで全国にアピール続ける

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「日奈久なう」女将もフェイスブックで奮闘中

   金波楼でネットの情報発信を担当するのは、松本さんの息子で専務の松本啓佑さん。4月15日付のブログでは、「ここ日奈久は震度5と大きく揺れましたが、当館は大きな被害もなく済みました」と投稿した。その後の本震、さらに19日に八代市を襲った地震の影響で、20日には「今回の地震の影響で、断水と当館建物の被害により立ち入りが困難の為、しばらくの間、入浴も宿泊もお休みさせて頂きます」と告知した。すると「心よりお見舞い申し上げます」といった応援コメントが寄せられた。

   その後も「外来入浴再開」「日帰り入浴プランの紹介」といった内容を掲載し、復旧の様子を知らせてきた。

   啓佑さんは、日奈久温泉旅館組合の組合長も務める。「行政や組合員と話しました。熊本県内は被災地なので、県外に発信してアピールしようとの意見が出ています」と話す。ただ、金波楼以外の旅館の中には被害が大きく、今は宿泊客を迎え入れられないところもあるので、まずは日奈久温泉全体で受け入れ態勢を整えるのが先決だと話す。

   温泉旅館の女将たちも、ネットで奮闘中だ。「日奈久なう」というフェイスブックページで、震災前から女将の視点で日奈久温泉の魅力を伝えている。「『フェイスブックって何』という初歩から入りました」と話すのは、金波楼の女将・松本美佐緒さんだ。震災後は女将の会合を開く時間がなくフェイスブックの更新頻度は多くないが、「断層の悪いイメージを払しょくしたい」と意気込む。

   日奈久温泉は、夏休みから秋にかけてが書き入れ時になる。震災前のにぎわいを取り戻すうえで「特効薬」はないかもしれない。それでも館主の松本さんは、例えばネットを通して「復興プラン」のような宿泊サービスをアピールしたり、元気に営業している様子を逐一伝えたりして、地道かつこまめに発信し続けるのが大事だと考えている。

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