【あさイチ】(NHK)2016年5月23日放送
「心理学でハッピー人づきあい」
出会いの季節・春を過ぎ、新しいママ友ができたり、職場の人間関係が変わったりという人は多いだろう。ただ、そうした新しい人付き合いで、無理をして話を合わせたり、必要以上に相手の顔色をうかがってしまったりと、やっかいなこともあるのでは。
そんな悩み、「心理学」が軽くしてくれるかも!?
深い人間関係を作る「あいうえお」
人間関係を円滑に進める方法として、亜細亜大学・重太みゆき教授が勧めるのは「ミラーリング」というテクニックだ。
これは相手がうなずいたら自分もうなずく、コーヒーを飲んだら自分も飲むなど、相手の動きを鏡のように真似ることだ。
重太教授「相手が自分と似た行動を取ると、『この人自分と似ているかも、気が合うかも、近い存在かもしれない』と、ちょっとした勘違いを起こして、仲良しになれると思わせる効果がある」
ただ、あからさまに真似をしているのが伝わると不快感を与えてしまう。自然に行うコツは3つだ。
相手が髪をかきあげたら、一つ会話のやりとりをしてから自分もかき上げるなど「時差を付ける」。時差1分以内のミラーリングならば効果が期待できるという。
次に「自分がされて嫌なことは真似しない」。例えば、相手が腕組みをしているのを真似して自分も腕組みすると、高圧的、また自分から壁を作っているという印象を与えるおそれがある。
最後に「会話のキーワードを繰り返す」。例えばレストランで相手が「カルボナーラにしようかな」と言ったら、「あっ、カルボナーラいいね!」と返す。「好みが合うかもしれない」と思われ、好印象につながる。さらに重要なキーワードから質問が繰り出せるようになれば「ミラーリングマスター」といえる。
駒澤大学・八巻秀教授「カウンセリングでは『ジョイニング』と言い、カウンセラーはジェスチャーだけでなく相手の話のテンポに合わせる、雰囲気に合わせることを自然としている。そうするとカウンセラーとクライアントがとてもいい関係になる」
立正大学の齊藤勇名誉教授は、「深い人間関係を作るあいづち」として、 「ありがたい」「いいですね」「うん(運)がいい」「えん(縁)がありますね」「おん(恩)に着ます」の「あいうえお」を勧めている。
齊藤名誉教授「『ありがたい』は単なる褒め言葉ではなく、感謝の気持ちを表している。『運がいいですね』と言われると、自分はいい運を持っている、ツイてると思える。『縁がありますね』は人間関係を深めるキーワードになる。これからも長いお付き合いをしましょう、ということになる。『恩に着ます』は、日本人は鶴の恩返しが大好き。恩を感じたと伝えると、関係が非常に深くなる」