お相手は、たてがみのある「男装のメス」ってホント?
いくつかの動物専門家のサイトをみると、人間以外の動物の同性愛は珍しいことではなく、キリンやシャチ、バンドウイルカ、ヤギ、ニホンザルなど約450種が知られているそうだ。だから、ライオンにあったとして不思議ではないという見方がネット上に出ている。
また、オス同士では、自分の力を誇示するために、優位なオスが下位のオスにマウンティングする場合がある。ニホンザルなどがそうで、下位のオスは服従の姿勢をとる。しかし、ネコ科の動物では見られたケースはなかった。
そこで、驚きの説を展開しているのが「ナショナル・ジオグラフィック日本語版」(電子版)の2016年4月21日号だ。アフリカのライオンに詳しいキャスリーン・アレクサンダー博士の次のコメントを紹介している。
「私は(ボツワナで)20年間研究してきましたが、オス同士のああした行為は見たことがありません。片方はたてがみのあるメスと考えるのが妥当です」
同誌によると、ボツワナには遺伝的要因で、たてがみがあるメスライオンがいるそうだ。妊娠中のメスが異常に多くの「男性ホルモン」を分泌し、生まれるメスの子どもが「オス化」するケースがある。通常は野生状態では生き残れないが、なぜかボツワナでは生き残っている。
別の動物専門家のサイトによると、オスのような外見をしたメスの群れは、ほかのメスの群れから恐れられ、縄張りを維持するのに有利に働くためらしい。それらのメスの写真もネット上でアップされている。今回の「ボーイズラブ」の相手は、この「男装のメス」ではないかというわけだ。
しかし、ライオンはオスとメスの体格差が甚だしく、オスはメスよりも1.5~2倍くらい大きい。ネット上の「男装のメス」の写真を見ると、確かに、たてがみはあるが、思春期のオス程度のつつましやかなものだし、体も大きくなさそうだ。キャンブルナーさんが撮った写真の「オス」は、2頭とも、たてがみが堂々としたたてがみがてフサフサと風になびき、映画「ライオン・キング」の「シンバ」のように見事だったのだが......。