辛旨ラーメンで人気の「蒙古タンメン中本」(東京・板橋など)と、元社員がはじめた「元祖 旨辛系タンメン荒木屋」(東京・西蒲田)との間で起きている、「のれん・看板」や調理メニューをめぐるトラブル。
「中本」側が同社ホームページ上で、「荒木屋」に対して「当社ののれん・信用を傷つけるような事態が生じている」などと批判する「お知らせ」を公開したことを報じたJ‐CASTニュースは、今度は「荒木屋」の代表者である「元社員」に話を聞いた。
「のれん分け」とその後の「ごたごた」
2016年5月26日配信のJ‐CASTニュース記事「『蒙古タンメン中本』公表のトラブルは激辛級!? 元社員の店めぐる『ごたごた』」とは」では、「中本」HPで25日に公表された「旨辛系タンメン『荒木屋』との関係についてのお知らせ」の内容を紹介した。この中で、「中本」側は、「荒木屋」が「(当社と)何らかの関係があると世間に誤解を与えるような営業を行って」いるなどと批判していた。
5月26日夕までに「荒木屋」側と連絡がつかなかったJ‐CASTニュース編集部は同日夜、「荒木屋」の代表者の男性から直接、(1社のテレビ局取材班とともに)話を聞いた。
「中本」側によるサイト上での「お知らせ」については、「とても驚いています」と感想を述べた。
自身が「中本」を運営する誠フードサービスの元社員で、「のれん分け契約」を結んで蒲田店を開業したものの、14年8月に閉店し、その過程で会社側とトラブルがあったことは認めた。
ただ、「今回、4月に改めて『蒙古タンメン中本』のメニューと類似したり、関連のラーメン店と誤認したりするようなことがないように、と弁護士を通じて文書が送られてきました。5月中旬には、そのようなことがないようにすることや、問題があればできる限り対処していくことを伝えたばかりのことで、(『お知らせ』の公開は)本当に突然という印象です」と、認識の違いも見せた。
「2号店」めぐり誤解?
また、「荒木屋」の料理が「蒙古タンメン中本」の料理の外観や味に類似しているとの指摘に対しては、「同じように、辛味噌で唐辛子を使っているのですから、色みが似ていると言われれば、そうかもしれません。ただ、当店で使っている味噌や唐辛子、麺もスープも(『中本』とは)違います」と話し、提供しているラーメンはすべて「オリジナル」であると強調した。
「わたしは創業者である中本さんのもとで修業を積みましたし、その味に近づきたいという思いでつくってきました。『中本』の看板を傷つけるようなことはありません」
とも語った。
2015年4月の開業から1年経って、こうした事態になったことには、「おそらく2号店のことがきっかけではないかと思っています。ただ、これも情報がきちんと伝わっていないようで、当店の2号店は、『がっつり系の油そば店』を予定しています。年内には、と思っているのですが、2号店も『旨辛タンメン』のお店だと(「中本」側は)考えているのだと思います」と推察する。
その上で、「話し合いの場が設けられるのであれば、いつでも応じる用意はあるのですが...」とも話した。
先に触れた、J‐CASTニュースの26日配信記事には、数は多くないが、双方を支持するコメントも寄せられている。なかには、「味や店の雰囲気が劣化しさえしなければ、客としてはどうでもいいこと」「外野は黙っているべきだと思う」といった意見もあった。