すべての薬品が効かないスーパー耐性菌への感染が米国内で初めて確認されたと、2016年5月26日、米疾病対策センター(CDC)が発表した。AFP通信など複数の海外メディアが報じた。
スーパー耐性菌については、同年5月18日、英政府が委託した研究チームが、2050年以降に年間1000万人が死亡する伝染病大流行がやってくると警鐘を鳴らしたばかり。悪夢の襲来が現実味を帯びてきた形だ。
CDCの発表によると、感染が確認されたのは、ペンシルバニア州在住の女性(49)。尿路感染症の検査で、すべての抗生物質の中でも最強の「コリスチン」への耐性を持つ大腸菌株の陽性反応が出た。見つかったスーパー耐性菌が保有する遺伝子「MCR-1」は、すでに中国や欧州でも確認されている。
トマス・フリーデンCDC所長は「まさに全既存薬を無効にする耐性菌の出現を告げるものだ。われわれは、ポスト抗生物質時代にいる危険を冒している」というコメントを発表した。