すっきりした気持ちで開催できるように
東京都民は今、やりきれない思いである。五輪のお粗末事件だけでなく、舛添知事の政治資金の使い方も絡んでうんざりしている。
「知事が疑惑のまま、リオ五輪(ブラジル)に行って引き継ぎをするのか。恥の上塗りだ」
こんな怒りの声もあるのが現状だ。
招致疑惑は調査委員会、知事疑惑は第三者に、そろって放り投げている。他人の金と無責任のセットである。当事者が自分で分かりそうなものなのに、とまた怒りたくなる。
大統領が職務停止となったブラジルの五輪開催の影響を心配するどころではないのが今の東京である。
現実は東京五輪をやめることはない。なにがなんでも、税金をありったけ使っても開催する。力ずくで4年後に向かっていく。それならば、すっきりした気持ちで開催できるように、東京都も政府も五輪関係者も手を打たなくてはならない。しっかりしろ、と言いたい。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)