【ガッテン!】(NHK)2016年5月11日放送
「血液のチカラ向上作戦! 脳梗塞・心筋梗塞で死なないために」
脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす、血管内の血のかたまり=「血栓」。動脈硬化が起こっている血管や血液がドロドロの血管にできるものと思われがちだが、実は誰の体の中でも日常的にできている。
「血栓ができた」と聞くと怖いと感じてしまうが、自分の力で溶かしてしまえる。それも、意外と簡単な方法で可能なのだ。
「人類の進化」が血を固まりやすくしていた
番組では、舞台俳優の宮森右京さん(22)に「実験担当」を任命。「フラワーアートの1日体験」という嘘の企画を撮影している間、宮森さんの控え室に生きたライオンを運んでおいた。
撮影が終了して控え室に戻ってきた瞬間、宮森さんは突然目に飛び込んできたライオンに驚きおののく。何と、この瞬間宮森さんの体内に血栓のもとが生まれたという。
宮森さんにはさらに、10年以上前に閉鎖した病院で肝試しをしてもらった。様々な仕掛けに大いに怖がった宮森さん。実験前と後に実施した血液検査では、実験後の方が30%ほど血液が固まりやすくなっていた。
血液を固めるのは「フィブリン」という成分だ。けがをして血管に傷ができた時、血を止めるために、傷口をばんそうこうのように保護して手当てをする働きがある。
大事な成分だが、驚いた時や恐怖を感じた時には、フィブリンが必要以上に作用してしまう。これには、人類の進化が関係していた。
人類の祖先は自分たちより強い動物と日々戦い、負傷することも多かった。危険な状況をいち早く察知し、けがをする前から血を固める準備をするようになったのだ。
帝京大学医学部内科学講座・川杉和夫教授「血が早く止まって戦闘にすぐ復帰できる人が生き残った。それが遺伝して、恐怖を感じると血が固まりやすくなる」