高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
サミットとオバマ大統領の広島訪問 「中韓との違い」演出する好機

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「加害者」や「被害者」というレッテル貼り

   一部の人から、日本はアメリカに謝罪を求めないのはおかしいという議論がある。

   世界の普通の国、過去の戦争では、未来志向で「加害者」や「被害者」というレッテルを貼らない。特にヨーロッパは旧植民地帝国が集まっていて、旧植民地からみれば悪の枢軸ばかりである。とても誰も謝罪すべきとは言い出せないわけだ。ドイツの場合でも、その罪をヒトラーとナチスにかぶせることで、ドイツを「加害者」といわないのが普通だ。

   日本は深い悲しみを持っているが、それを抑制しながらもてなすのがいい。これは、中韓に対して日本は違うという戦略にも通じる。

   オバマ大統領の広島訪問について、多くの国では歓迎しない理由はない。ところが、中韓は世界の国とはまったく違う。日本の集団的自衛権について、世界のほとんどの国は賛成であるが、中韓だけは反対との奇妙な対応だったことが思い出される。

   中韓は、日本を「加害者」として扱ってきたので、日本が「被害者」になっては中韓にとって都合が悪いのだ。こうした中韓の態度には辟易している国も多い。この際、日本は先進国の一員として、サミットに便乗して中韓との違いを演出するのは長期的には得策であろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)、「中国GDPの 大嘘」(講談社) など。


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