【熊本地震とインターネット(2)】
「日本語分からない」多言語サイトが生命線 熊本市国際交流会館の奮闘は続く

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4か国語で行政手続きや医療機関案内を発信

   4月20日になると、会館内だけでなく他の避難所の外国人支援を視野に入れ、全国から応援にやって来た「多文化共生マネジャー」の協力を得て「災害多言語支援センター」を立ち上げた。日本語と英語、中国語、韓国語の4か国語で被災外国人に向けた情報発信を本格化させたのだ。熊本市が毎朝更新する災害情報を英、中、韓それぞれの言語に翻訳、印刷して会館内に掲示したり熊本市国際交流振興事業団公式ウェブサイトに掲載したりする一方、翻訳内容を市側に渡して外国人がいる各避難所へ回してもらった。各種行政サービスや手続きをはじめ医療機関情報、仮設住宅の情報と生活上重要な内容ばかりだ。「罹災(りさい)証明書の申請方法などは、日本人でもどうしていいか分かりませんから」(八木さん)。

   避難所は4月30日に閉鎖したが、災害情報の多言語化は継続している。避難生活を送る外国人は、タブレット型端末やスマートフォンを持っているケースが多く、多言語情報は有益だ。今後、地域に住む外国人にとっては、緊急時対応から本格的な生活再建への段階に入っていく。自立を支援するうえで、今後は別の情報が必要になっていく。

   一方、震災当初に押し寄せた外国人旅行者に対しては、「どんな情報が必要か」の支援方法の想定が不十分だったという。短期滞在の観光客は、在住者と違う対応が求められるだろう。また、情報を多言語化した後に外国人被災者がきちんと受け取り、理解してくれたかがネット上で分かるようになれば、本当に必要な支援を的確に届けられるようになるのではと、八木さんは考える。

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