イスラム教徒の「ハラール」食品支援をネットで呼びかけ
在住者は旅行者と違い、簡単に熊本から引っ越すわけにいかない。言葉が通じる国際交流会館の存在が、当座をしのぐうえで「生命線」となった。
ひと口に外国人と言っても、文化や習慣が多様で生活上のニーズも異なる。基本は英語での情報提供だが、時には他の外国語が必要になった。イスラム教の避難者向けには礼拝用の場所を確保した。
八木さんをはじめスタッフは、きめ細かい対応のためにインターネットを最大限活用した。例えば入浴の情報。断水で風呂に入れない避難者のために、市内で無料営業している銭湯を検索し、詳細を伝えた。ネット上の情報はすべて日本語だったため、英訳したうえで提供した。
イスラム教徒の避難者は、イスラムの教えにのっとって処理された「ハラール」の食品以外食べられない。そこでフェイスブックや、協力者へのメールを通じて窮状を訴えたところ、最初に市内の国際交流団体がイスラム教徒向けの炊き出しを始めた。さらにホテルが、ハラールの弁当400食の提供を申し出てくれた。おかげで、一部を市内のモスクに回すことができたという。その後イスラム教徒の避難者には、自力で調理できるよう便宜を図った。