17都府県のコンビニエンスストアのATMから14億円強が不正に引き出されたと報じられた事件は、外国人の増加に合わせて海外のクレジットカードがATMでキャッシングにも使えるようになったことが狙われた。今後は、防犯対策の強化が求められそうだ。
事件を最初に報じた読売新聞などによると、犯行グループは100人以上おり、2016年5月15日の日曜日の早朝3時間弱で、偽造クレジットカード1600枚分を次々に使ってATM約1400台で不正行為をしていた。
限度額1回10万円、100人以上で一斉に引き出す
キャッシングの限度額は1回10万円で、計1万4000回以上引き出されたと言う。100人で手分けして引き出したとして、1人が10枚ほどの偽造カードでコンビニ10店ほどを渡り歩いて引き出していた計算だ。
きっかけは、南アフリカのスタンダード銀行が発行したカードの情報がハッキングかスキミングなどの被害で流出したことだという。中国系の焼肉店が発行した顧客カード6枚がATMから見つかっており、このカードに情報を書き込んで偽造したらしい。不正を検知してカードが回収されたといい、表面には、中国語が書かれていたとの情報もある。
銀行側は、出金停止措置をしようとしたが間に合わなかったという。犯行は、セブン‐イレブンにATMを設置しているセブン銀行からの通報で分かったといい、警視庁が防犯カメラに映った人物の特定を進めている模様だ。犯行には、国際犯罪組織が関与しているとみて、南ア当局と連絡しながら捜査している。
被害に遭ったのは海外のカードで、主に外国人が持っていたとみられている。最近は、外国人が日本でも海外のカードでキャッシングできるようになってきており、そこを狙われたらしい。