舛添都知事はなぜ「ケチ」と言われるのか 本人が語っていた幼少期からの「知恵」

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   東京都の舛添要一知事による政治資金をめぐる問題は、ついに安倍晋三首相も2016年5月23日午後の参院決算委員会で、「しっかりと説明責任を果たしていくことが大切」と説明を求める事態に発展した。

   舛添氏の支出が違法かどうかは今後「第三者」による調べが進む見通しになった。だが、あらゆる関係者が声をそろえるのは、舛添氏の性格の問題、とりわけ目立つのが「ケチ」「セコイ」という点で、そのエピソードは枚挙に事欠かない。

  • 東京都の舛添要一知事のカネの使い方には「ケチ」「セコイ」という評判がつきまとう
    東京都の舛添要一知事のカネの使い方には「ケチ」「セコイ」という評判がつきまとう
  • 東京都の舛添要一知事のカネの使い方には「ケチ」「セコイ」という評判がつきまとう

手取り20万円ちょっとの安月給の妻に5万~10万円入れさせた

   「ケチ」ぶりは、舛添氏の親族だった人から痛烈な批判が相次いでいる。舛添氏は過去に3回結婚しており、週刊誌などの報道によれば、少なくとも2人の愛人との間に子どもがいるとされる。1回目の結婚は1978年で、留学先で知り合ったフランス人女性がお相手だ。1986年には、大蔵官僚だった片山さつき氏(現・参院議員)と2回目の結婚をしている。96年の3回目の結婚で結婚したのが現在の妻だ。

   2番目の妻、片山氏は「FLASH」5月31日号で、

「結婚生活では、(中略)私はまだ係長で手取り20万円ちょっとの安月給だったのに、5万~10万円、お金を入れさせられました」

と、東大助教授時代の舛添氏の金銭にまつわるエピソードを語っている。

   片山氏はFLASH誌のインタビューの中で、結婚3か月後には離婚を考えたことを明かし、当時、弁護士に相談したところ、舛添氏にはすでに交際(不倫)相手がおり、妊娠していた。

家庭裁判所に調停申し立てて養育費を値切る

   この不倫相手を仮にAさんとすると、Aさんの母親も舛添氏のケチぶりに不満をぶつけている。「週刊新潮」5月26日号がAさんの母親の話として伝えたところによると、舛添氏は月額22万円の養育費を支払ってきたが、13年に参院議員を退いたことで収入が減ったとして、家庭裁判所に調停を申し立てて減額を要求。Aさんが弁護士を立てて争った結果、結果的に減額は免れたという。

   舛添氏には3番目の妻との間に2人、Aさんとの間に1人、それ以外の愛人との間に2人の、計5人の子どもがいる、とされる。

   こういったことを念頭に、石原慎太郎元都知事は16年5月19日の記者会見で

「舛添さんの問題はねぇ、あまりにもねぇ、みじめな話で...。ただ彼は、随分何回も結婚して離婚してるんで、お金がないんで気の毒ですなぁ」

と言い放ち、会場の笑いを誘っていた。

「頭使うしかなかったんだ。俺はそれやったもん、一生懸命」

   これらの話は1980年代以降のものだが、子どものころの舛添氏の生活ぶりにも、現在のお金の使い方のルーツを思い起こさせるエピソードがある。

   「アエラ」1990年6月5日号のノンフィクションコーナー「現代の肖像」では、舛添氏を特集している。この記事の中で、筆者でノンフィクションライターの吉田司氏は、東大進学まで北九州市の八幡で育った舛添氏の小中高校時代の友人の証言として、

「舛添は八百屋の息子だよ。(中略)他人の土間先借りて野菜をパラパラッと並べたようなヤサイヤだった。貧乏? あいつが子供の頃、ポケットから金出して何か買ったの見たことないね」

と書いている。さらに、舛添氏の姉も、

「バラック小屋で勉強部屋もないような家でしたからね。教科書代もない。妹や要一は、夜遅くまで野菜のリヤカー引いて」

と貧しい生活ぶりを率直に明かしていた。

   そして、舛添氏自身がこんな言葉を残している。

「八幡なんて、なんにもない町だ。鉄クズだけだ。そこで何か生み出すってったら、ココだ、頭使うしかなかったんだ。俺はそれやったもん、一生懸命」

   タレント学者としてテレビで人気者になり、政治家、そして東京都知事になった舛添氏の「セコイ」金銭感覚は、幼少年期を通じて「なんにもない」状態を生き抜いた知恵の賜物、と解釈できなくもない。

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