愛知県警・鉄道警察隊の制作した「痴漢防止啓発ポスター」がインターネット上で大きな反響を集めている。
女性が男性に「ダメ」と呼びかけるのではなく、男性が男性に諭す、という痴漢防止の啓発ポスターにしては珍しい構図なのだが、ポスターに描かれた「イケメン」のあまりの美貌に、女性からアイドル並みの好感の声も飛んでいるのだ。その制作意図とは一体何なのか。
「同性に痴漢行為は情けないことだと思わせる」
「今回は男子目線でのポスターを考えました」――。J-CASTニュースの取材に対し、愛知県警の広報課は2016年5月23日にこう明かした。
ポスターが制作されたのは、2016年初め。5月23日現在、愛知県内の鉄道各駅や名古屋駅周辺の百貨店に掲示されている。少女マンガや恋愛ゲームに登場しそうな見目麗しい「美青年」3人が描かれ、それぞれが「愚かだ...他人に迷惑をかけ人生を棒に振るのか」「信じられない...同じオトコとして情けないよ」「親の顔が見てみたい...品性下劣なその行為は、痴漢」と冷たい眼差しでつぶやいている。
痴漢防止の啓発ポスターに男性、それも美青年を使うセンスはネット上で大きな反響を集めた。男性から「完全に対象を間違えてる!?」「痴漢をする層には効果薄いのでは...」と疑問の声が上がる一方、女性からは「妄想をしました」「逮捕されたくなる」と意外な反応も寄せられている。あまりにイケメンすぎたのか、その声は完全にアイドルやアニメキャラへ投げかけられる類のものだ。
なぜ、美青年にする必要があったのか。そこに隠されていたのは「同性に痴漢行為は情けないことだと思わせる意図」だ。セリフはすべて鉄道警察隊の隊員が考案。デザインを業者に委託する際は「男子キャラでカワイイ系」と依頼したという。
「ポスターはまず、人の目に留まらなければ意味がありませんので、インパクトのある絵柄を採用しました」
確かに、そのインパクトは十分だったように思われる。