夢野久作、江戸川乱歩、太宰治、安部公房も「参入」
その後、このネタは「もし○○が『カップ焼きそばの作り方』を書いたら」シリーズとして、さまざまな作家のバージョンに「転用」された。それぞれ湯切りの場面だけを拾い上げると、こうなる。
「ボーン......ボーン......三分経ったカシラ、と時計を見やれど、目の見えぬ。ソンナ目で、湯切りをしたもんだから、麺が全部、シンクに流れ落ちて行った」(夢野久作バージョン)
「残りは、湯切りだけ、ジリリジリリと、シンクに向かい、器を傾けた時、ふと何かの予感に襲われて、突然ガクンと指を滑らせ、それと同時に、麺がシンクへ」(江戸川乱歩バージョン)
「三分経つ。湯をざあっと切ると、もうだめだ。私は欲望に負けた」(太宰治バージョン)
「湯切りが済んだらソースとスパイス、青のりをいっぺんに入れ、全力で『ワアーッ』とかきまぜる」(椎名誠バージョン)
こうして見ると、投稿者の想像力もさることながら、文体や表現のバリエーションの多様さに驚かされる。
ツイッター上には今も、内田百閒、安部公房、司馬遼太郎、北方謙三など作家名を出したリクエストが寄せられ続けている。この「大喜利大会」、まだまだ広がる予感がする。