AI超高速取引が株価の乱高下もたらす? HFT規制めぐって金融庁vs市場

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欧州では2018年からHFT業者を登録制に

   麻生金融相が指摘するのは、こうした取引があまりにも膨らんで現物の株式が、先物市場、商品市場の動きにつられて激しく動くため、株価が業績やファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)と無関係に決まるという懸念だ。

   HFTの問題が世界で認識されたのは2010年5月。米ダウ工業株30種平均が数分間で約1000ドル下落し、すぐに元の水準まで戻る「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる現象が起きた。HFTが原因か、はっきりしたわけではないが、世界的な関心を呼び、海外でHFT規制議論のきっかけになった。

   欧州では2018年からHFT業者を登録制にして、当局への情報提供を義務づけることになり、米国も同様の登録や情報提供の規制導入を打ち出している(実施時期は未定)。日本は欧米に出遅れているため、金融庁は「市場はグローバルにつながっており、海外と歩調をそろえる必要がある」として検討に着手、年内にも規制の方向性を打ち出したい考えだ。

   ただ、市場関係者からは「過度な規制は円滑な株式取引を阻害する」との反発が出ている。様々な相場観をもつ多様な投資家がいてこそ市場の価格形成機能が発揮されるのだから、「HFTはむしろ、流動性を高め、取引を活発にし、適正な株価形成に資する」といった意見も聞かれる。

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