総務省「ガイドライン」が改定されていた
だが、この機能が捜査の支障になるとして、警察庁は総務省に対してガイドラインの改定を要請。その結果、15年6月にはガイドラインから
「当該位置情報が取得されていることを利用者が知ることができるときであって」
という文言が削除された。ガイドライン上は、利用者に通知がなくても、令状があれば捜査機関が位置情報を得られるようになった訳だ。
そして、このガイドライン改定が、実際の端末にも反映され始めている。NTTドコモは、16年5月に発売された基本ソフト(OS)に「アンドロイド」を搭載したスマホ5機種で新ガイドラインに対応した、と報道されている。KDDI(au)やソフトバンクも対応を検討している模様だ。
一方、利用者は端末のGPS機能を無効に設定することもでき、その場合は外部から検索することは困難になる。
今回のガイドライン改定をめぐっては、日本弁護士連合会(日弁連)が15年5月に
「位置情報の取得を利用者に知らせることを不要とすれば、市民の知らないうちに、その行動が監視されることを認めることになり、市民に対し、捜査機関から常にGPS位置情報を取得されているのではないかという不安を感じさせることになる」
として反対する意見書を発表している。
警察にとっては、迅速な捜査に必要な措置といえるが、利用者の側も自分のプライバシーの「自衛」策が必要になりそうだ。