ユニクロも苦戦する低価格カジュアル衣料市場
日本に「OLD NAVY」が初めて上陸したのは2012年。東京・お台場を皮切りに、東京・吉祥寺や長野県・軽井沢町、大阪府守口市など、ショッピングセンターや駅ビルなどを中心に積極的に出店。2014年には初めて北海道や四国に進出するなど、拡大路線を敷いてきた。
その一方で、国内のカジュアル衣料市場は競争が激化していて、なかでもOLD NAVYが得意とする低価格帯は、激戦の様相を呈している。「ユニクロ」や「GU」(いずれも、ファーストリテイリングが運営)、「しまむら」やスウェーデンの「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」などが競っているほか、イトーヨーカ堂など流通大手のプライベートブランドも参入している。
長期的にみても、国内市場は少子高齢化や人口減少の影響で、さらに縮小していくとみられている。これまで「好調」といわれてきたファーストリテイリングですら、4月7日には2016年8月期の連結業績予想の下方修正を発表したほどだ。
市場調査の矢野経済研究所によると、カジュアル衣料を含めた国内アパレル小売市場の規模は、2014年に9兆3784億円(前年比0.9%増)だった。
OLD NAVYが苦戦して、撤退を余儀なくされるのも無理からぬところかもしれない。