【チョイス@病気になったとき】(Eテレ)2016年5月14日放送
「大丈夫? あなたの姿勢」
突然腕が上がらなくなる、噛み方や飲み方に悪影響が出る――。こうした症状、実は「姿勢の悪さ」が引き起こしている可能性がある。
「姿勢の悪さは背骨をゆがめ、万病の原因となる」(レオナルド・ダ・ヴィンチ)と言われるほど重要だが、理想的な姿勢ができている人はほとんどいないという。自分の姿勢を正しく直すには一体どうしたらいいのだろうか。
数日間も自力では起き上がれない状態に
都内で働く会社員の河内真紀さんは、姿勢の悪さで痛い目にあったことがある。
仕事で丸一日パソコンに向かう日々を続けていた河内さん。2015年10月、通勤で駅に向かっている途中、ポケットから飛び出しそうになったものをとっさに押さえた瞬間に首にちょっとした痛みが走った。痛みは時間が経つにつれどんどん強くなり、右にも左にも向けず、じっとしていても涙が出るほどだったという。
職場近くの整形外科へ駆け込むと、正常な首にある骨のカーブがなくなった状態の「ストレートネック」と診断された。
河内さんはデスクワークの際、資料を手前に広げながらキーボードを打つので、腕を伸ばした前傾姿勢になってしまう。この姿勢が首の後ろ側や肩周辺の筋肉に負担をかけ続けていた。
この時は湿布と痛み止めの飲み薬を処方され、1週間ほどで痛みはおさまったが、しばらく経ったある朝、起き上がろうとすると首に激痛が。
河内さん「本当に信じられないくらい動けなくて、自力で頭を持ち上げることができませんし、横を向くのも辛かったので、寝たきりになってしまうのではないかという恐怖すらありました」
その後数日間も一人では起き上がることができなかった河内さんは、東京・豊島区の「千川篠田整形外科」へ。ここでは湿布や痛み止めだけでなく、理学療法士が首の付け根周辺の筋肉や関節をほぐす治療も行われた。
さらに家では肩甲骨を大きく動かす体操や、タオルを使って頭と首の正しい位置を「思い出させる」体操を実践。仕事中も雑誌を重ねてパソコンの画面を高くし、腕を伸ばさずひじを曲げることで、目線を上げ、肩への負担を軽くした。
3か月後にレントゲンを撮ると、あごや肩が後ろに戻って前かがみが解消され、首への負担が減ったことがわかった。
河内さん「続けていると痛みはなくなってきましたし、薬によって押さえているのではなくて筋肉の使い方が変わってきたんだなと実感も沸くようになりました」