逆に太りやすい体質になる可能性も
10代は体をつくるのに大切な時期。体重ばかりを気にして無理にダイエットすると、食事の栄養バランスが偏りがちだ。成長期に行うと、今ある健康を失うばかりか、成人後の健康にまで影響する可能性があり、危険だと専門家は警告する。
栄養療法を専門とする新宿溝口クリニック院長の溝口徹医師は、ダイエットのために肉などを控える人が多く、それが深刻な問題を引き起こすという。
「一番問題なのは、鉄の不足です。いわゆる貧血と診断されなくても、体内の貯蔵鉄や組織鉄が減少すると、生理不順やうつなど様々な問題が生じる原因となります」
また、肉を食べないことは、たんぱく質不足にもつながる。
「たんぱく質を十分にとらないと、筋肉量が低下して代謝が悪くなります。するとダイエット後に太りやすい体質になり、リバウンドしやすくなる可能性も。それに免疫力も低下するので、風邪にかかりやすくなったり、重症化するようになったりと良くないことだらけです」
ほかにも、20歳前のたんぱく質不足は、十分な骨量を達成することができず、将来的に骨粗鬆症のリスクを上げることになるという。
健康を損なうことなく、魅力的なプロポーションを保つにはどうしたらいいのだろうか。
「いまの自分に必要な栄養素を正しく理解し、必要な栄養素が不足しないように徐々にダイエットすることが重要です。将来的に太りにくくなり、肌も美しく、そして骨粗しょう症の予防まで考えると、『高たんぱく+低糖質』の食生活を意識しましょう」と溝口医師。
そして運動をすることも大切だという。とくに、食後すぐに散歩をする習慣をつけることを勧めている。[アンチエイジング医師団取材TEAM/監修:溝口徹 新宿溝口クリニック院長]
アンチエイジング医師団
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