「不安をあおるような投稿」は拡散されやすい
いったいなぜ、こうした単なるネット上の書き込みが、ここまで大きな話題を集めることになったのだろうか。SNS上での人間行動について研究している社会心理学者で、関西学院大学の三浦麻子教授は、5月17日のJ-CASTニュースの取材に、
「社会心理学的に考えると、不安をあおるような投稿や、あいまいな情報は拡散されやすい傾向があります」
と話す。また、「人は不安なとき、他人にその内容を話したくなる傾向がある」とも述べ、「災害などを予言する投稿」はツイッターでの「リツイート数」が伸びやすいと続けた。
さらに、人間は不安な感情を共有することでむしろ安心を得るような場合もあるといい、今回のようなケースでは、ネットユーザーが「大震災が起こるかもしれないという『不安』を好んで共有したがっているのかもしれない」とも分析した。
取材の終わりに三浦教授は、
「SNS上には、『外れた予言』が山ほどあると思います。その中で、一握りの『たまたま当たった予言』だけが抜き出されます。そのように抽出された投稿だけを目にするユーザーの中には、ある程度の『信ぴょう性』を感じる人もいるのでしょう」
とも付け加えた。