「あのー、バカな質問は止めていただけますか」
質問内容に対しても、蓮實重彦さんは、厳しく報道陣を叱責した。小説が蓮實氏の青春期を思い起こさせると記者が指摘すると、「あのー、バカな質問は止めていただけますか」と言い返す。「質問が噛み合っていない」「私を不機嫌にさせる」と苦言を呈し、候補の連絡があったときに断らなかったのかと聞かれ、「お答えする必要ないでしょう」と反論した。
自身の小説についても、研究者なら知的な操作で書けるとし、執筆のきっかけも「向こうからやってきました」とだけ述べた。ただ、小説は女性に評判がよく女性の選考委員が推してくれたはずだと述べ、会見の最後には、報道陣に一礼して会場を後にしていた。
蓮實さんの発言については、ネット上で大きな話題になっており、小説家からは賛否両論の意見が出ている。
作家でミュージシャンの辻仁成さん(56)は、ツイッター上で「候補の段階で辞退するべきでは?」と疑問を示し、「受賞を受けてのこの発言こそ暴挙じゃないか? 若手に失礼です」と批判した。
一方、好意的な声もあり、作家の高橋源一郎さん(65)は、「受賞したら絶対いうだろうなあと思っていたことをみんなしゃべっていて、爆笑」「今回の発言でもおとなしすぎ」とツイートしていた。
ネット上では、「なぜ辞退しないのか?」「会見など開くなよ」といった疑問や批判は出ているが、好意的な声もかなり多い。「なんかかっこいい」「こんなロックな人が東大総長だったのか笑」「うわべだけじゃアカンぞ!ということですね」などと書き込まれている。