ある程度は糖質をとる新しい「糖質制限」
たくやが挑戦するのは「ローカーボ食」。名古屋逓信病院の中村了内科医長らが考案したダイエット法だ。
中村内科医長「体重が87キロあった時に半年ほどやったら、最初の1週間が一番体重が減って、一気に6~7キロくらい減った。最終的には72キロまで減った」
この方法はいわゆる「糖質制限ダイエット」なのだが、糖質(炭水化物)を「悪」とするのではなく、量を適切に調整する。ある程度は糖質をとってもよいので、安全で長続きするのだ。
肉類と魚介類全般、海藻類、魚卵、大豆製品、キノコ類、卵は食べてもよい。さらに、唐揚げや油炒めなど、油を使ったものは「どんどん食べていただいた方がよろしい」という。
中村内科医長「油は悪であるという概念を取り払うのが大事。炭水化物を減らす代わりにカロリーを確保しなければいけないので、油は積極的にとる」
脂肪分は細胞やホルモンの材料となり、エネルギー源にもなる重要な栄養素だ。普段の食事から糖質を抜くだけではエネルギー不足になり、ストレスにもつながる。ローカーボ食では、動物性の油、植物性の油、魚の油をバランスよく、積極的にとっていく。
ただし揚げ物を食べる際は、糖質が含まれるパン粉を衣に使ったカツやフライは避け、素揚げのものか、できるだけ衣を薄くした唐揚げを食べるのが望ましい。
調味料は塩、しょう油、酢、マヨネーズはOK。砂糖、はちみつ、みりん、ポン酢、ケチャップ、ソースは比較的糖質が多いので避ける。
お酒は飲んでもよいが、糖質を豊富に含むビール、日本酒、ワインはNG。飲むなら、糖質をほぼ含まない焼酎、ウイスキー、ウオッカを選ぶ。
今回たくやは1日のうち2食をローカーボ食にし、1食は好きなものを食べても良い、というルールで挑んだ。
好物の肉や揚げ物を食べてもよいダイエットということで、二人とも順調にスタートした。5日目の時点でたくやは「朝ちょっと目覚めが良くなったかな」、かずやは「お通じがとにかくいい。1日2回はトイレに行っている」と、早くも体に変化を感じたようだ。
ところが6日目以降、かずやの「食べない16時間」の間にたくやが朝食をとっていることで、朝お腹を空かせたかずやがイライラし始めてしまった。7日目に片山院長から得たアドバイスは、「朝にバターコーヒーを飲むこと」。
コーヒーに無塩バターを小さじ2杯ほど入れたもので、脂肪分が空腹感をおさえ、エネルギーにもなる。片山院長によると、1日2~3杯までは飲んでもよいそうだ。
かずやは翌朝から早速実践し、空腹感が満たされたよう。「救世主だね」と喜んでいた。