浴室洗剤や柔軟剤に使用もごく微量、人体への影響ない
韓国での事件を機に、日本の加湿器殺菌剤メーカー・UYEKI(大阪市)には問い合わせが殺到し、公式ホームページで「韓国で事故を起こした問題となる成分は一切使用しておりません」「安全性が高く安心してご使用いただける製品です」というメッセージを掲載するまでになった。もちろん、製品にPHMGは一切入っていない。
前述の「モーニングショー」では、PHMGが含まれている国内製品として、一部のメーカーによる浴室洗剤、柔軟剤、ウエットティッシュを列挙した。このうち、あるメーカーの浴室洗剤のPHMG濃度は0.1%だった。体内に入った場合に半数の人が死亡する量、いわゆる「半数致死量」は、濃度0.1%のPHMG水溶液の場合は51キログラム、水量に換算して51リットルを一気に飲んだ場合だ。現実的には起き得ないと言えよう。気化する温度も250度と、家庭で一般に使用するにはおよそ達しえない高温のため、人体への影響はないと判断しているという。
寺門氏は「製品に含まれる化学物質は微量。皮膚についたり飲み込んだりしても、代謝・分解されて無くなってしまう程度のレベルです」と指摘した。
また、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(家庭用品規制法)」は、住宅用洗剤や衣料品といった生活用品に含まれる有害な化学物質を規制し、健康被害を防止している。規制の基準は厚生労働省令で定められ、個別の物質ごとに審査される。2016年5月現在、規制物質の数は20だが、基準違反のおそれがある家庭用品に対しては事業所や工場への立ち入り検査・関係者への聞き取り調査を実施し、違反が認められれば回収・販売停止命令を出し、原因の化学物質を新たに規制することができるようになっている。