「失われた都市」の正体は...
たとえば、マヤ文字解読の第一人者である米テキサス大学のデビッド・スチュアート氏は自身のフェイスブック(すでに削除)で「衛星写真上で見つかった四角い図形は確かに人工物ではありますが、昔の休耕畑またはミルパ(編注:トウモロコシ畑)でしょう」とコメント。さらに、
「古代マヤ人は、星座に応じて都市を配置したのではありません。ロールシャッハテスト(インクのシミが何に見えるか問う心理検査)と同じで、星が数多あるように、いたるところに遺跡があるというだけです」
と解説した。
人類学者のトーマス・ガリソン氏もギズモードの取材に対し、衛星写真に写っていた「古代都市」の正体は「ミルパ」だと指摘。「おそらく10~15年間は放置されているのではないでしょうか」と推測した。
古代マヤにおいて天文学が発達していたことは事実だが、実はマヤの星座のほとんどは明らかになってないという。スロベニアの考古学者であるイヴァン・シュプライツ氏は、同じくギズモードの取材の中で、星と都市の位置が対応しているかどうかを確かめるのは不可能だとしている。
ちなみに、ウィリアムくんが示した星座と都市の対応図をみてみると、縮尺や向きにバラつきがあった。
こうした指摘を受け、各メディアは追記をしたり、続報を出したりと対応を余儀なくされた。ニュートン公式アカウントも11日、
「元ニュース記事やカナダ宇宙庁のtweetなども確認できたため,ガセネタではないと判断し、紹介しましたが、真偽を見分けるのはとても難しいものです。また進展がありましたら、追って報告致します」
と投稿した。
ただ、ウィリアムくんの努力や熱意は専門家らも評価しているところで、ネット上でも「これにめげずにもっと高みを目指してほしいわ」「これからも折れずに考古学の道を歩んでほしい」といったエールが送られている。