現在は10店舗で販売
「アドバンス」が鹿肉カレーを提供し始めたのは10年からで、鹿の肉は猟師から仕入れ、それを加工するための自社工場も持った。始めは鹿の肉に抵抗感を持つ客もいたが、販売して直ぐにヒットする手応えはあったという。現在は10店舗で販売していて、値段は1食税込906円。鹿の肉の仕入れ値は国産和牛より高価で、この値段でも利益は殆どないという。それでも続けているのは、鹿害の抑制に貢献したいという思いがあるからなのだという。1か月間の販売数は約1500食だ。
「鹿は栄養価が素晴らしいため、健康志向の方に受けがいいのと、当社の取り組みに賛同してお召し上がりになる方など様々です」
と同社では話している。また、15年夏からは、県産の鹿肉を使ったレトルトカレー「淡海(おうみ)の国・滋賀 鹿肉の煮込みカレー」(1食220グラム、税込み600円)の通信販売も始めている。
全国の大手飲食チェーンとして野生鳥獣肉(ジビエ)を扱ったのは、これが初めてだと話題になり、その後は北海道、長野、三重、和歌山、大分の一部店舗でも地産地消の「ココイチ」鹿肉カレーが出るようになった。そんな取り組みをしてきた「アドバンス」。県庁内の店舗の閉店をどうとらえているのか。担当者は、
「あのような素晴らしい場所に1年2か月の間、出店させていただけたことについては、ただただ感謝しかありません。閉店を惜しんでくれるお客様も大勢いて涙の別れになりましたが、もしまた機会があるなら、なんとか出店させて頂ければということを願うのみです」
と話していた。