「パナマ文書」日本の報道がばらつく 「節税」「脱税」「租税回避」の違いは?

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交錯する擁護と批判の声

   そもそも、ビジネスや金融取引のため、税負担が軽減されるタックスヘイブン(租税回避地)での法人の設立は違法ではない。ただ、実態がつかみにくく、タックスヘイブンがマネーロンダリング(資金洗浄)や資産隠し、不正な蓄財などに悪用されている可能性は否定できない。

   合法とはいえ、政治家を含め、富裕層や企業の経営者らが国外のタックスヘイブンを使って節税することに、税負担の「不公平感」を募らせる人は少なくない。

   各メディアの報道に、「節税」「脱税」「租税回避」といった似通った言葉が使われていることからも、メディアが「違法でないものを、どのように追及すべきか」苦労しているようすがうかがえる。

   インターネットでも、

「合法的に節税しているのだから、問題なし」
「お前らは増税前にモノを買うのも『脱税だ。許せない』っていうの? 違うでしょ。それと同じ」
「犯罪じゃないが、問題はある」
「カネ持ちがみんなで渡れば怖くないっていうモラルハザード」
「法人税減税とか、もうしなくていいよねって話だよね」
「名前のあった企業を一括りに悪者扱いすることはできないが、タックスヘイブンは問題ありだろ」

といった、擁護する声と批判の声が交錯する。

   ちなみに、「節税」や「脱税」、「租税回避」も「納める税金を減らしたい」という目的は同じだ。ただ、節税は法律に定められた方法にそって納税分を減額したり、税金の免除を受けたりすることをいう。法人税や所得税を確定申告して承認後に還付金を受けるのは、節税にあたる。

   一方、脱税は、ウソや不正行為によって、不当に税負担を減らしたり免れたりすることをいう。違法行為にあたる、「ブラック」な行為だ。

   問題になっている「租税回避」は、租税の課税を免れるために、その租税の範囲内で納税分を減額することをいう。たとえば、酒税の負担を減らすためにビールメーカーが「発泡酒」や「第3のビール」を開発したのは、租税回避にあたる。しかし、その手段によって違法かどうか判断が分かれる場合がある。

   「タックスヘイブン」の利用も、合法的な節税なのか、違法な脱税なのか、「グレーゾーン」ということのようだ。

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