「忙しくてゆっくり食事できない!」京大生の悩みに応えた 「ヘルシー弁当」考案の管理栄養士が込めた思い

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

栄養バランスを「意識していない」学生は全国で約4割

   「徐々にリピーターは増えていて、今までショップの弁当を利用していなかった学生や教職員の購入が多いようです」と飯田さん。バリエーションは当初「チキンヘルシー弁当」や「鰯醤油煮ヘルシー弁当」など5種類だったが、学生からメニューのリクエストが寄せられ、16年5月時点で「野菜炒め肉団子ヘルシー弁当」などが追加され、13種類まで増えた。一番人気は「グリルチキンヘルシー弁当」だ。

   ヘルシー弁当の人気は広がってきたようだが、それでも学生の食生活は乱れがちだ。「健康的な食生活の知識を得ても『忙しい日々で調理する時間がない』『実際に何を食べていいかわからない』といった人が多いです」と京大健康科学センターの松崎慶一助教はJ-CASTヘルスケアの取材に答えた。内閣府が2009年に発表した「大学生の食に関する実態・意識調査報告書」によると、栄養バランスを「意識していない」学生は全国で約4割。また、朝食を食べない日が「1週間に4日以上ある」学生は約2割いる。

   こうした現状の中、各大学で「100円朝食」の取り組みが目立っている。栄養のある朝食をとる習慣を定着させようと、通常250~500円ほどするメニューを、朝食の時間帯に限って100円で提供するものだ。慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学をはじめ、多くの大学が取り入れている。

   「たった100円じゃ、卵かけご飯と味噌汁くらいしか出ないんじゃ...」と思ってしまうところだが、そんなことはない。同志社女子大学の公式ウェブサイトには献立例が写真付きで載っており、米飯と味噌汁のほか、鯖の塩焼き、ホウレン草のおひたし、冷奴など、バリエーションの豊富さが確認できる。

   立命館大学の発表では、「それまであまり朝食をとっていなかった」という学生も利用しており、そのうち6割以上が「100円朝食が始まったのを機に食堂を利用」しはじめ、習慣づいたという。「100円朝食を食べるために早起きするようになった」という学生もおり、生活習慣の改善にも一役買っている。

1 2
姉妹サイト