予防にはホウレンソウとニンジンをもりもり食べよう
これまで考えられていたより、はるかに多くの人がかかっていたわけだ。加齢性黄斑変性は、老眼や白内障が進行する年齢と重なるため、かなり進行しないとわかりにくい。運転免許の更新時に視力検査でひっかかり、眼科を受診して気づくケースが多い。ある日突然、目の前のビルがゆがんだり、人の顔が黒ずんで見えたりして衝撃を受ける人もいる。眼科を受診すると、「アムスラー検査」という碁盤の目型の図を見る方法で簡単に診断されるので、50歳を過ぎたら定期的に検診するとよい。かつては治療法がなかったが、最近はいくつか開発され、早期の段階だと視力の維持や改善が図られる。
予防するには、緑黄色野菜をたっぷりとるのがいちばんだ。2015年10月に米ハーバード大学が発表した研究によると、約10万2000人の健康データを分析した結果、ニンジンやホウレンソウなどに含まれるカロテノイド(植物の色素)をたくさんとっている人は、とらない人に比べ、加齢性黄斑変性を発症するリスクが40%以上も減ることがわかったのだ。