「鳥取県」といえば、真っ先に思い浮かぶのは砂丘、二十世紀梨、そして「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるさんだろうか。だが鳥取の魅力は、これだけではない。
「鳥取県の女性は47都道府県の中でストレスが最も少ない」という調査結果を、メディプラス研究所(東京都渋谷区)が2016年4月4日に発表した。「鳥取女子」がおおらかに過ごせる理由は、どこにあるのか。
「親子関係」「肌の状態」などで「イライラしていない」
調査では全国の20~69歳の女性約7万人を対象に、ストレスの感じ方をチェックする54の項目を設け、都道府県ごとにストレスの高さを割り出した。全国で最もストレスが少なかったのが鳥取県の女性だったが、具体的には全国平均と比べて「親子関係」「肌の状態」などで「イライラしていない」ことも分かった。
ストレスが少ない背景には何があるのか。鳥取県元気づくり総本部広報課はJ-CASTヘルスケアの取材に対し、「育児面が大きな要因ではないかと思います」と答えた。
「県では『子育て王国鳥取県』という取り組みを2010年から続けています。保育料を助成しており、人口の少ない地域では無償化している自治体もあります。子どもの医療費負担も軽減しています」
海も山も楽しめる豊かな自然を活用した教育にも積極的だ。NPO法人「智頭(ちづ)町 森のようちえん まるたんぼう」などが運営する、自然の中で子どもが自由に遊ぶことを重視した県内各地の「森のようちえん」に助成金を出している。この団体は全国各地にあるが、杉山や棚田の景観を気に入り、鳥取の森のようちえんを選んで移住してきた家族もあるという。
県は毎月19日を「育児の日」と定め、父母ともに早めに帰宅して家事・育児に参加したり、家族でだんらんしたりするよう促している。「テレビCMや広報もうっており、企業にも認知されてきています」(広報課)といい、県を挙げての取り組みが浸透しつつあるようだ。
厚生労働省によると、2013年4月当初の鳥取県内の保育所待機児童数はゼロ人。また総務省の2013年11月の発表によると、共働き率は育児中の女性の有業率は71.8%で全国4位の高さだ。