「悪役キャラ」が好きな子の親は、やっぱり......
この結果、次のことが明らかになった。
(1)脳波の測定や視線の注目度で、「正義感の強いキャラ」を見ている時の方が強い反応を示した幼児の両親のほとんどが、事前のテストで「正義感が強い人」に分類されていた。同様に、「悪役キャラ」に強い反応を示した幼児の両親のほとんどが「正義感が強くない人」に分類されていた。
これで、遺伝の影響が関連付けられたという。
(2)アニメを見た後のおもちゃの実験では、73人の幼児のうち54人がおもちゃに手を伸ばそうとした。しかし、こちらの方はてんでばらばらに興味を示し、とくに「正義感」との関連は見られなかった。幼児にとって、おもちゃの楽しさに「善悪」は関係ないのだろう。
今回の結果について、カウエル博士はこう語っている。「正義感や道徳心は、学校教育や家庭のしつけなどで教えられるというイメージがありますが、それらの強さは生まれた時から身についている性質である可能性があります。そのことを冷静につかんで幼児と接していく必要があります」