「正直、風評被害というものを意識せざるを得ません」
日奈久温泉の関係者からは、「日奈久断層帯」のイメージがもたらす風評被害を危惧する声も複数出ている。温泉旅館組合の関係者は取材に対し、「目に見える被害はほとんどないのに、観光客の姿だけが消えてしまった。正直、風評被害というものを意識せざるを得ませんよ」と話す。
また、名産品の日奈久ちくわを販売する「とらや」の店員は、
「風評被害を心配する地元の人間は多いですよ。やはりあれだけテレビや新聞で『日奈久断層帯』の名前が出てくると、日奈久の地名に地震のイメージがついてしまうのではないか、と不安になります」
と話す。実際、「とらや」でも、観光客の減少から店先での売上が落ち込んだだけでなく、遠方地からの注文数も激減しているという。
一方で、温泉旅館「金波楼」の担当者からは、
「今後、風評被害の影響がより顕著に出てくるかもしれません。ですが、それを取り除くため、これからも元気な日奈久温泉の姿を見せていきたいです」
と力強い言葉が出ていた。