就職活動にデメリット?
一方で、
「過保護ともいえるけど時代の流れとしては至極当然だわ」
「サボり始めたのがリアルタイムで察知できるのはいいと思う。手遅れになる前に」
などの肯定意見もある。
教育評論家の森口朗さんは近畿大学のシステムについて、「選挙権が与えられる18歳は成人であり本来なら親に監視されるべきではないし、しっかりと学び卒業、就職するのが理想だ」としながらも「90数パーセント以上は親からお金を出してもらい通っているわけだから、親というスポンサーに対し大学生活に関する自分の情報を伝える義務があるため、こういうシステムを利用するのも一つの方法だろう」と分析した。
ただし、「デメリットは思わぬところに存在する」という。それは学生が就職活動をする際のイメージで、企業側が私立大学の学生に期待しているのは「たくましさ」。「保護者用ウェブサイト」が近畿大学のイメージになってしまうと、親の管理下の元で大学生活を送ったという「ひよわ」な学生に見られる可能性が高くなり、企業に敬遠されかねないというのだ。近畿大学といえば、もともと雑草的なイメージで、私立大一般入試の志願者数が日本一となり、偏差値や大学のレベルも上がっているだけに、それにブレーキがかかるきっかけになりかねないという。
「『たくましい』入学希望者は別の大学を選択しないとも限りません。全学生を対象にするのではなく、このシステムを使うのは希望者のみという薄い運用にしたほうがいいのではないかと思います」
そう森口さんは話している。