出演番組でタトゥー(刺青)が見えた、音楽グループ「DA PUMP」のISSA(いっさ)さんに「気持ち悪い」といった批判が集まっている。
暴力団関係者を意識させるためか、日本人がタトゥーに持つ印象はあまり良くない。一方、人気芸能人が手首や足首など目立たない場所にファッション感覚で入れているのも事実だ。制作サイドによる規制と出演者の配慮のはざまで揺れるタトゥー。多くの入浴施設と同じく、テレビからも「締め出される」のか。
工藤静香、宮沢りえは記者会見で「見せた」
ISSAさんがタトゥーを「披露」したのは、2016年5月2日放送のバラエティ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!! 3時間スペシャル」(テレビ朝日系)でのことだ。
衣装は学校の制服に似たものだったが、シャツのボタンを多めに開け、腕まくりをしていたため、地肌が露出。両手首や胸元のタトゥーがチラチラと見え隠れした。
ネット掲示板などでは視聴者から
「大丈夫なんか?」
「気持ち悪い」
といった否定的な反応が次々寄せられた。
ISSAさんだけでなく、タトゥーを入れる芸能人は多い。しかし、主な「披露」の場はこれまで記者会見、CDアルバム、SNSなどに限られてきた。
2004年の記者会見では、歌手でタレントの工藤静香さんが足首に彫った蛇模様のタトゥーを、06年には歌手・浜崎あゆみさんがニューアルバムのジャケットで右肩にあるユニコーンのタトゥーを見せ、話題を集めた。女優の宮沢りえさんも10年の会見で、背中の左上にうっすらタトゥーをのぞかせた。
浜崎さんに関しては16年2月29日にインスタグラムで、右肩に彫った羽が生えたハートマークのタトゥーを見せている。
ディーン・フジオカは何枚もテープが重ね貼り
一方、規制の関係もあり、テレビ番組で芸能人のタトゥーが見られる機会は少ない。最近だと、タレント・美奈子さんが14年1月のバラエティ番組「私の何がイケないの? 豪華8組の芸能人夫婦!妻が夫にドッキリSP」(TBS系)で、6年間隠し続けたという背中のタトゥーを初披露した時ぐらいだろうか。
やはり違和感があったのだろう。美奈子さんの告白にスタジオの空気は凍りつき、出演者で女医の西川史子さんも「ここに来て、見せるべきですか」と厳しい言葉を投げかけた。 J-CASTニュースが調べると、数年前に放送された2つのバラエティ番組は女性芸能人の腰や首にモザイクをかけたり、テロップをかぶせたりして、タトゥーが極力映らないよう編集されていた。
また、16年1月放送の「あさイチ」(NHK)で紹介された俳優、ディーン・フジオカさんのVTRでは、左腕のタトゥーがちょうど隠れる位置に何枚もテープが重ね貼りされていた。
出演者の側が「配慮」していることを明らかにしているケースもある。
人気ロックバンド「Hi-STANDARD」(ハイスタンダード)の横山健さんは2015年7月、「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)に初出演。横山さんは以前から、体中に無数のタトゥーを入れていることで知られていたが、長袖の衣装などで、タトゥーは見せなかった。
番組放映の後、横山さんは、所属レコード会社の公式サイトに公開したコラムで、
「ゴールデンタイムは不特定多数の人が流し見もするので、そこでオレみたいなもんが刺青丸出しで出てたら、『なんであんなもん出すんだ!』と気を悪くする人もいるだろう。それこそクレームでも寄せられたら『横山なんか出すんじゃなかった』と(制作サイドに)思われるだろう」
「(自分のタトゥーは)パッと見、ただの『輩』だ。正直言って刺青を隠すのは楽しいことではなかったが、今回の突っ張りどころはそこじゃないと充分理解してたので自主規制、長袖を着て出ることにした」
と振り返っている。