弁護士も「痴漢となる可能性があります」
しかし、納得しきれていない男性ネットユーザーたちもいる。放送後、ツイッターやネット掲示板には
「もう満員電車で男は息もするなって事」
「何かイヤな世の中になったなぁ」
「誤認逮捕が増えてそうで恐い」
との声がいくつも投稿された。
先の澤登氏の説明によれば、単に鼻息が荒いだけだったり、息切れしているだけだったりするだけで検挙されることはなさそうだが、疑われる可能性がある以上、気が気じゃないだろう。
ちなみに「匂いを嗅ぐ行為が痴漢になり得る」という話は、15年夏にもネット上で物議を醸した。警備サービス最大手「セコム」の公式ツイッターアカウントが「痴漢の新種の行為」として「カバンを女性の体に押し付ける行為」とともに紹介したためだ。
匂いを嗅ぐことを含むこの「新種の行為」について、当時、J-CASTニュースが取材したところ、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士は「痴漢となる可能性があります」と答えた。
東京都迷惑防止条例では、(1)人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、(2)公共の場所又は公共の乗物において、(3)卑わいな言動をする、ことが禁止されている。
「卑わいな言動」は、いやらしくみだらな言語、人に性的しゅう恥心、嫌悪感を覚えさせ、又は不安を覚えさせるものをいい、これが、かなり広く認められる余地があるためだという。
ただし「女性が不快と思えばただちに痴漢になる」というわけではなく、「女性が実際に『恥ずかしい』と感じたかではなく、一般人であれば、羞恥心や嫌悪感を抱くような行動をしたか否か」を客観的にみて、迷惑防止条例違反となるかどうかを判断するとのことだった。