「こどもの日」に「貧困」が社説の共通テーマになる日本 新聞から消えた「のんびり」論調

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「生まれ育った環境によって左右されることのないよう...」

   1年前の2015年5月5日の社説と比べると、「朝日」が「子どもの貧困――大人一人ひとりが動こう」と題し、子どもの貧困率が6人に1人といった数字を示し、政府の対応の不十分さや「支える連鎖」の必要を指摘しているだけで、他の主要4紙は、静岡市の山間部の寺で子どもたちが2泊3日を過ごす「修養会」を紹介(「毎日」)▽困難を抱える子供の学習や食事を支援するボランティア団体など地域の「おせっかい」の勧め(「読売」)▽子供の声を「騒音」と捉えるかのごとき風潮を嘆き、大人が知恵を絞るよう求める(「産経」)▽社会全体で子育てを支え、子どもが健やかに成長する環境を整えたい(「日経」)など、今年に比べれば、ややのんびりした内容だっただけに、今年の各紙社説の切迫感が際立つ。

   2014年に施行された子どもの貧困対策法を受け、政府は「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」と謳った大綱を閣議決定した。この理念の実現に、この1年で少しでも近づいた、とはとても言えないようだ。

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