熊本地震の支援で県外からボランティアに来てくれた人たちが、初めて聞く方言に戸惑ってしまうかもしれない――。福岡女学院大学人文学部メディア・コミュニケーション学科の二階堂整教授などのチームは、県外からの訪問者が地元住民とのコミュニケーションを円滑に図れるようにするために、2016年4月23日に「熊本支援方言プロジェクト」を立ち上げ、方言語い集をダウンロードできるウェブサイトを開設した。
同プロジェクトはまず、「医療・福祉関係の方言」「身体の部位を表す方言」の語い集をそれぞれ作成、公開した。熊本県の方言は北部(熊本市など)、南部(八代市など)、東部(阿蘇市など)の3地域で異なるため、地域ごとに分けて作成されている。ただし、「医療・福祉関係の方言」の東部版は5月6日現在、未完成のため公開されていない。
4月28日には、一般向けの方言ガイドを公開した。県外からの支援者・ボランティアを想定している。「ナンノナンノ=どういたしまして」といったあいさつのほか、聞き取りにくい発音として「ヤッバ=役場」、誤解しそうな方言として「ワカラン=だめだ」など、A4用紙2枚分にまとめている。こちらは3地域に分けず、1種類のみ。サイトからダウンロードして活用できる。
プロジェクトでは今後、被害状況や被災地の要望を反映し、順次改訂していく予定。